March 02, 2009

ブログの引っ越し先、再度変更のお知らせ

たびたび&ごぶさたで失礼します、【匂いの記憶@京都】の移転先がまた変わることになりましたので、お知らせいたします。

http://memoria-aromatica.com/post/

(今のところ、最後の /post/ までつけないとたどりつけなくなっていますので、ご注意ください。また、2月にいったんアップした移転先も、上と同じものに訂正しておきました。)

理由は単純で、次の通りです:

  1. Movable Type 4 の無償バージョンは1つのサーバーにしか置けないことになっているのに、先日 the-tribe-of.olfaction.jp のドメインを取得してそっちにMT4をインストールしたため、いったんMT4を入れた tribus.olfactorius.net のサイトを撤去する必要が出てきたから。
  2. memoria-aromatica.com のほうが、tribus.olfactorius.net より覚えやすい(ような気がする)から。

... 名前については、どっちもラテン語で、memoria (n.f. 記憶) + aromatica(adj.f. 香りの)と、tribus(n.m. 部族)+olfactorius(adj.m. 嗅覚の)という意味です。が、

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February 15, 2009

SECRET SHOWCASE UNVEILING

ブログとは別に、自作アイテムを紹介するためのショーケースを立ち上げました。
http://the-tribe-of.olfaction.jp/showcase/
まだ Gentle Care Cream - Soin de Crème の概要だけですが、追って詳細を付け加える予定です。お楽しみに!

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February 11, 2009

l'Aube de Bénédiction

Dsc_3035
春はあけぼの
雲のほそくたなびきたる

 突然のことで恐縮ながら、都合により本ブログのURLを下記のとおり変更することといたしました。

http://memoria-aromatica.com/post/
(2009/3/1に再度変更しました)

 …長々しいURLで申し訳ないです。ほどなく【匂いの記憶@京都】でgoogle検索とかしていただければ見つかるようになる、ですかね。とりあえずこの移転に伴い、ココログ版ブログに書き溜めていたバックナンバーは、記事によってはそのまま転載、あるいは加筆訂正して新ブログに移行するか、それともなかったことにするかして、その都度すこしずつ削除していきます。

 さて、記憶がある場所から消え去るときの、ほんのかすかな煙のなかに、どんな匂いが潜んでいるのか。それを意識的に嗅ぎわけるチャンスを、そういえば私たちは思いのほか、持っていないものですね。

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January 17, 2009

角質やわらかアボカドクリーム - Softening Cream with Avocado Butter & Cream - Soin de Peau du Beurre et l'Huile d'Avocatier

20090111_avocado_cream2

前エントリのクリームよりもさらに角質の軟化と皮膚への栄養補給に特化した、淡い翡翠色のグリーンが美しいクリームです。同様に角質に働きかけるとされるレモン精油とベンゾイン精油をブレンドしました。

「角質やわらかアボカドクリーム」レシピ ↓

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足裏すっきりデトックスクリーム - Detoxing Cream for Tired Feet with Castor Oil and Tea Tree Essential Oil - Créme Désintoxiquante pour les Pieds Fatigués à l'Huile de Ricin et l'Huile Essentielle d'Arbre à Thé

20090111_detoxing_cream

キャスター・オイル(日本ではヒマシ油、カスターオイルとも呼ばれます。ヒマ=トウゴマ Ricinus communis の種子を低温圧搾したもの)は粘性が高く、アロマテラピー関連のテキストでは「キャリアオイルとして単体で用いるのは適切ではない」とされていることがほとんどですが、中には「寝る前に足の裏に塗ると便通が良くなる。お腹や腰などをマッサージするとさらに効果的」(佐々木薫『アロマテラピー図鑑』主婦の友社、2004年、164ページ)といった効用を述べているものもあります。ヒマシ油は角質層への浸透力が高く、また低温環境でも粘性があまり変化しないため、冬場に乾燥して固くなってしまった足裏の角質層をゆっくりマッサージするにはたしかに好適でしょう。

そこで今回は、キャスター・オイルと精製ミツロウ、精製ホホバオイルで白くもったりしたクリームベースを作り、「デトックス効果がある」「抗菌力がある」「角質をやわらかくする」といった効果があるとされる精油をいくつか組み合わせてみることにしました。お風呂上がりの足裏にたっぷりと塗り込み、やわらかなソックスをはいて眠ると、翌朝にはたしかに足裏がしっとりと柔らかくなり、心なしか歩く時の足裏の感覚がいつもより鮮明に感じられるようでした。

もちろん足裏に限らず、ひじ・ひざなどの角質化しやすい部位のマッサージにも使えます。またメンソール成分を含むハッカ精油と、抗菌力ではダントツの効果を発揮するティーツリー精油をブレンドしているため、皮膚のちょっとした痒みや足のむくみ、肩のこりなどに対し、気になる部位に塗布してマッサージするのもよいでしょう。(ただし粘膜およびその近くには絶対に塗布しないでください)

「足裏すっきりデトックスクリーム」レシピ ↓

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January 16, 2009

本日の手作り入浴剤:バスソルト«天然桜塩» - Bath Salt with Natural Cherry-blossom Extract - Sel de Bain au Extrait Naturel de Fleur de Cerise

ぱっと咲いてさっと散る、あの桜の花のたえなる気配を、なんと花や蕾や若葉を塩漬けにすることで翌年の新春までもたせて、しかも桜湯にして飲んだり葉っぱごと桜餅にして食べられるようにしたりだなんて、そんなとんでもなく偉大なる思いつきをこの世にもたらしてくれたのは、いったいどこの誰なんでしょうかねえ。

昨年は、そんな塩漬けの桜花と白檀チップ・ヒノキチップにビャクダン Santalum album 精油と吉野ヒノキ Chamaecyparis obtuse 精油等を加えたものをオーガンジーの袋に入れ、ドライポプリ&マグカップ芳香浴用芳香剤&バスポプリ(入浴用芳香剤)と強欲にも3通りに楽しめるようにして、「季節のサシェ・春」3連作のひとつとしてみました。(4月分「芳野懐古」、詳しくはこちらのエントリをご参照ください)

この「1袋3役」型ポプリは、それはそれでなかなかご好評をいただいたのですが、今年は思い切ってまったく別のアプローチをとることにしました。塩漬けの桜花から、その色と香りをエタノールで抽出して、これを海塩に加えてバスソルトにする、というものです。コトバにするとまどろっこしいものの、要するにこんな感じです:

20090116_bathsalt_sakura_2

エタノールを加えた塩漬け桜花に、さらに海塩を加えてよく揉み出し、数週間かけて桜花の色と香りを塩にうつします。そして、ふるいにかけて花弁やがくなどを取り除きつつエタノールだけを揮発させ、

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January 12, 2009

ソリッドパフューム用ワックスベース - Wax Base for Solid Perfume - Base de Cire pour la Concrète de Parfum

たとえば精油をブレンドして、市販の香水よりもずっと自分の好みに近い香りを得ることができた場合、それを何とかして持ち歩きたいと思うのは当然の理。そんなとき、手作り化粧品に関するテキストが提案してくれるのはだいたい「練り香」なわけですが、その基材には白色ワセリンやオイル比率の高いクリームなど、常温でもやわらかなテクスチャを保つものが選ばれていることが多いようです。

個人的にワセリンのべっとりした使用感が好きではない私にとって(余談ながら、ワセリンvaselineの別名はペトロラタムpetrolatum、読んで字のごとく完全に石油由来の素材です)、たとえ冬場でも一時的であれ温度が30度を超えるような環境で、必ずしも練り香の容器が水平に保たれない場合があることを考慮すると(たとえば黒いカバンの中に入れて、それを陽の当たる助手席に適当に置いて車で移動する時など…要するに私の日常ですね)、たまさか練り香の基材が液状化して容器から漏れ出したりされては大変ですし、使うにも不便で困ります。その点、たとえばロクシタンのソリッドパフュームの基材は蜜蝋とパラフィンで作られているため融点が高く、日常生活の範囲内で温度が多少上昇しても、勝手に融けだすことはまずありません。

そこで今回は、ロクシタンにならって高温環境下でも液状化しにくいソリッドパフューム用基材を作ってみました。ただし材料は、石油・鉱物由来のパラフィンのかわりに、融点が60℃台の精製ビーズワックス(蜜蝋、ミツロウ)と30℃台前半の精製ココアバター、そして精製ホホバ油という天然素材だけを使用。そう、実は手作りの保湿クリームと、ブレンド比率を除けば材料に大差はありません。これならワセリンやパラフィンがあんまり好きではない人でも大丈夫。(でも蜜蝋アレルギー体質の方もおられるので、くれぐれもご注意を。予期せぬ症状による不快な思いをしないためにも、手作り製品は必ずパッチテストをしてから使いましょう。)

「ソリッドパフューム用ワックスベース」のレシピ ↓

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January 11, 2009

オーガニックラベンダー&元蝋のクリーム - Organic Lavender Cream with Raw Beeswax and Jojoba Oil Golden - Crème Lavande Organique à la Cire d'Abeilles Crue et l'Huile de Jojoba d'Or

今年こそは落ち着いて新年を迎え粛々と仕事に没頭したいと毎年思いながら、仕事始め早々からひどいポカミスを連発してさっそく凹んでおります… 年末年始の試作品の中には、比較的好評だった(自薦他薦問わず)アイテムもけっこうあったのに、こんな毎日だとあっという間に全部忘れてしまいそうなので、とりあえず自分用にレシピをメモしておくことにします。

「オーガニックラベンダー&元蝋のクリーム」

20090119_lavender_cream

元蝋=無精製の蜜蝋(ミツロウ)はプロポリスやローヤルゼリー等の養分を多く含むだけでなく、こっくりとしたいとおしいぬくもりのある甘い香りを有するため、私はこの元蝋を加温したホホバオイルで溶かし作ったクリームが大好きで、すでに私の中で不動の大定番になっています。(仕上がったクリームもさることながら、火にかけたオイルウォーマーの中で元蝋がホホバオイルに溶けていく時にただよう、実に馥郁たる甘さと華やかさに満ちた香りの、ああ何と素晴らしいこと!クリームを作る必要があるからというよりも、あの香りに包まれたくてつい作ってしまう、と言ったほうが、正直なところかもしれません)

今回はこれをクリームベースとして、皮膚に直接塗布することのできる真正ラベンダー精油 Lavandula angustifolia e.o. を高濃度で配合してみました。加温して元蝋が溶けた状態のクリームベースを保存容器に移し、周囲が冷えてすこし固まり始めたら精油を滴下してかきまぜながら自然に冷やす、作り方はただそれだけです。しかし出来上がったクリームのフタをあけた瞬間、ふわっと広がる元蝋とラベンダーの濃厚な香りは、そのまま鼻から大脳の真ん中あたりを経由して、砂嵐舞うアタマの中やガサついたココロの奥底にまで沁み込んできそうな、そんな優しくも頼もしい力強さに満ちています。

材料 ingredients - ingrédients

クリームベース cream base - base de crème

エッセンシャルオイル essential oil - huile essentielle

作り方 recipe - recette

  1. [a]に示したクリームベースの材料をオイルウォーマーで加熱し、溶けたら保存容器に注ぐ。
  2. 1. が手で触れるくらいに冷めたら、[b]に示したエッセンシャルオイルを滴下してよくかき混ぜる。

以上

注1 : m/v = mass volume, 重量比。クリームベース中の元蝋の配合比率は、私の経験からいうと、夏季や浴室内など高温の環境では粘度が下がるため35-40%程度、冬場の室内では 30%くらいが目安のようです。さらに低温の環境ではとても固くなりますが、手のひらに取り体温で溶かすようにすると問題なく使えます。

注2 : v/v = volume volume, 体積比。なお、日本語で「真正ラベンダー」と呼ばれる精油原料植物の学名表記に関しては、Lavandula angustifolia Miller のほかに L. officinalis Chaix, L. vera de Candolle などといろいろあって混乱しがちですが、ラベンダー精油に関する INCI 名称は基本的に L. angustifolia, L. hybrida, L. spica の3種であることを踏まえ、このブログでは以降、FCCの品質基準「エステル含有率(酢酸リナリルして)35.0%以上」およびANFORの品質基準「エステル含有率(酢酸リナリルとして)38-58%」を満たすものを Lavandula angustifolia と称することとします。

※上記の材料を用いて手作りされたアイテムは、薬事法の定める医薬品・医薬部外品・化粧品のいずれにも該当しません。あくまでも自己責任の下で適切 に製作および管理を行ってください。また、アレルギー反応等による危険を避けるため、使用に際しては事前に必ずパッチテストを行い、異常が認められた場合 は絶対に使用しないでください。

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December 10, 2008

<ある>と<ない>の境目の匂い

冬、季節はずれにあたたかな日の朝は、山間から流れてくるつめたい川の流れから、茫とした川霧が立ち上がる。

20081210_0630

向こうがまったく見えないかというとそうでもない。でも、向こうのすべてが見とおせるかというとそうでもない。世のせわしなさとはまるで無縁の、悠然としたすがたをしながら、今そこにあった霧だまりは次の瞬間、まわりのどこを探してももう見つからない。みぞれ降る深山の針葉樹林から、大水のたび川にしずむ中洲に今も立ち尽くす灌木から、河川敷いちめんの枯れた芝生に宿る朝露から、たとえどんなに淡くともたしかにそこにあった何ものかをいろいろと預かって、川霧は海へと向かい、おそらくは浜辺までたどり着く前に消えてなくなる。川べりのあちこちにそっと残された預かりものは、やがて堤防沿いの道路や橋をわたる車の列にかき混ぜられ、いつしか地を照らす日の光と自らを引き換えにして空へと、あるいはそのもっと向こうへと、還っていく。だからまだ昼とも夜ともつかぬこの時刻の、世のどれほど高貴な香木にも劣らぬほど時と距離を静かに秘めた川縁の香りを、ぼくは心から愛する。それがたとえ、<ある>ものであっても、<ない>ものであっても。

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December 07, 2008

午前4時のベランダ、微かな煙草の匂い

午前3時半、足元からしみこむような寒さに目を覚ます。土曜の仕事と吹雪の中を運転して帰ってきたのが思いのほか僕を疲れさせていたらしく、ろくに着替えもせず薄い毛布だけかぶってそのまま眠ってしまっていた。半分寝たままの頭で、リノリューム床の昭和っぽい冷たさだけを足裏で感じながら、石油ファンヒーターの電源を入れにいく。しばしぼんやり待つうちに、チチチチチとスパークプラグの鳴る音につづいてブオッと青い炎がともり、薄暗い部屋の底に淀んでいた冷気を、あの油臭いような懐かしいような暖気が大慌てで追い払っていく。

一息ついてカーテンをすこうし開けてみると、吹雪はもう峠を越えたらしく、雪の夜にだけ聞こえてくるあの特有の静けさが、町を覆っていた。ふと思い立って3脚にカメラを据え、町の夜闇にレンズを向けてリモコンでシャッターを切る。当然、

200812071f228sec

こんな真っ暗な写真になるのだけれども、絞りを開き数秒間シャッターを開けたままにしておくと、

200812071f3_85sec

低く垂れこめた雲や河原を覆う雪がぼうっと写りこんでくる。肉眼で見るのとはまたどこかしら違った風景に、なんだか不思議な面白みを感じて、寒空のもとコートを羽織って気の向くままにカメラをあちこち向けてみた。

200812072f1325sec

水色のつめたい橋の上を2台の車が連なって走る明かりがちろちろと見えたところで、15秒に設定していたシャッターが下りた。左下はこの近所で一二をあらそう枝ぶりの老いた桜の木が街灯のひかりを宿し、その左上には川向うの製紙工場の煙がはきだす水蒸気が、どこかの遠い星雲みたいな格好に写っていた。

そんな愚にもつかぬ遊びをしていたら、どこからともなく淡い煙草の匂いが漂ってきた。ふだん煙草をやらぬ僕は、気心の知れた人の吸う煙草のけむりならなぜか何ともないのに、見知らぬ誰かが街路のすれ違いぎわや食堂の背向かいのテーブルで吐き出す煙草の匂いには、いわく言い難い抵抗を感じてしまう。けれども午前4時すぎのどこかの部屋のベランダで、おそらくは僕と同じように雪の降り止んだ堤防や川向うの町をぼんやりとながめている誰かがくゆらせている煙草だと思うと、そんな誰ともわからぬ人の気配に、なんだかかすかな親しみというか、胸の底に軽い温かみさえ覚えてしまったから奇妙なものだ。僕はそんな頼りない気配に救われなきゃいけないほど孤独じゃあないと、頭では思っているのだけれどもなあ。

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