ロクシタン「フー・ドランジュ オー・ド・トワレ・アンタンス」 - L'Occitane "Feu d'Orange Eau de Toilette Intense" (not available in Japan)
ロクシタンでオレンジを使ったラインといえば Ruban d'Orange (日本では「オレンジ・リボン」)が定番でしたが、正直いまひとつインパクトがなく(というか、えーと、たしかにフルーティでリアルにオレンジを思わせるのだけれども、どことなく、ちょっと Bodyshop っぽい感じだなあ、みたいに思っちゃったので…)、買ったことはありませんでした。しかし!同じオレンジでも新しい Feu d'Orange のラインはもう全然ちがう!つかアメリカでは Limited Edition 扱いなんですけど、だったらなおのこと早く日本でも扱ってくださいロクシタンさん!お願いします!

L'Occitane "Feu d'Orange Eau de Toilette Intense"
まず印象的なのは、「オレンジの炎」という名前が示すとおり、シチリアのブラッド・オレンジをモチーフにした、オレンジというよりはもうバーミリオンに近いほど濃色のボトルカラーと、 Feu のロゴを縦に貫く赤いライン。そして名前の最後につけられた "Intense" の一語の意味が、単なる「濃厚なオレンジ」にとどまるものでないことは、ニオイ族の皆さんにはムエットにひと吹きした瞬間におわかりいただけるでしょう。精油でいえばスイートオレンジ Citrus sinensis ではなくタンジェリン Citrus reticulata、そして決め手は、
スパークするブラッド・オレンジの香りの向こうに、ドライであたたかなアンバー・ノートがほんのすこし透けて見えること。数十年、時には何世紀にもわたる長い時間を内包するアンバーの静謐で甘やかなノートと、一瞬にしてまばゆく輝きはかなく消えるブラッド・オレンジのフレッシュなノートとは一見対極にあるように見えながら、いずれも濃い暖色、濃縮されたエネルギーを連想させるという点で、見事に調和するんだなあ、すごいなあ、と感服させられた一品です。
こういう作品に出会うと、なんかもうオードトワレを pour Femme とか pour Homme とかいちいち分けるのが馬鹿らしく思えてしまいます。だってこういう香りなら、誰がどう使ったっていいじゃん、もう。男用とか女用とか、そんなのホントどうでもいい。つか、日本のおじさま方には、仕事の日は致し方ないとしても、せめてヴァケーションの間くらいは、オークモス・ベースやベチバー・ベースの香水ばっかりじゃなくて、こういうのもぜひ試していただきたーい!最近は男のおしゃれメガネもずいぶん浸透してきましたが、次はフレグランスも、もっと自由に楽しみましょうよ。
写真に撮って残すことのできない、そしてどんな言葉にも置き換えることのできない、あなたのすぐ傍らにいる誰かとだけ密やかにシェアされる、あなたの肌+αの香り。たしかに、「ちょいワル」だとか何とかをいまだに唱え続けるマニュアル世代向けの写真ファッション雑誌に載ってるお仕着せのブランド・スーツを猿真似で買って着て悦に入るよりも、自分の個性や目指す方向性にぴったりくるフレグランスを見つけて乗りこなすには、はるかに多くの経験と技量が必要でしょう。だけど、そういう「不可欠じゃないけどあったほうが(本人も周りも)楽しくなる緊張感」が、男女雇用機会均等法成立以前に就職して、良かれ悪しかれ今の現実社会の指導的立場に立っているおじさま方には圧倒的に欠落している…ように、僕には思えてしまうのです。(それとも、僕のまわりじゃないところには、そういうおじさま方もたくさんいるのかな?)
今時の若者に公共精神や愛国心とやらを要求されるのもお考えによっちゃ良うございますが、できればその前に、この国の若造どもが強く憧れられるような年上のロールモデルを、自分たちもあんなふうになりたい!ならなきゃ!と思えるカッコよさを、どうかもっと提供していただけませんか、今どきのおじさま方。誠に勝手ながら、しかし心の底から全力で、お願い申し上げる次第でございます。
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